顧客、生産者、取引先の声に耳を傾けて、従業員一丸となって真摯に改良改善を続けるオイシックス流ブランディングとは。。

みなさんこんにちは。生活者と小売の未来研究会の和田康彦です。


有機や特別栽培野菜など安全性に配慮した食品宅配のオイシックスは、「Oisix」「大地を守る会」「らでぃっしゅぼーや」の3ブランド合計で、全国約36万人の会員に食品を定期宅配しています。


新型コロナウイルスの感染拡大に伴う巣ごもり需要の拡大で、オイシックスの2020年4〜6月期決算は、売上高が前年同期比42.2%増の231億円、営業利益が約3.8倍の20億円と大幅な増収増益となりました。


オイシックス・ラ・大地を率いる高島宏平社長は、生産者や消費者の声に耳を傾け、駄目なところを一つ一つ改善し、できることはすべて実践することで「オイシックス」というブランドを磨き続けてきました。


契約する生産者は現在約4000軒ありますが、企業理念にある「よい食生活」とは何かということを社長自ら言葉で説明するより体験した方が早いという考えのもと、年に1回、社長を含め全社員で畑や漁港などで生産者を手伝う機会をつくっているそうです。生産者のこだわりや思いを体で感じることで、自信を持ってお客様に薦められるようになり、オイシックスファンを増やす原動力になっています。


また、オイシックスを利用するユーザーが登壇し、社員が話を聞くパネルディスカッションも定期開催しています。ここでユーザーから改善点を指摘されると、社長や上司から言われるより早く直るそうです。


さらにユーザーのご家庭へも手分けして直接訪問して、不平や不満、意見を聞いているそうです。高島社長自身も創業から20年続けているそうですが、「毎回必ず何か発見があります。」といっておられます。


現在同社の看板商品にまで成長した「ミールキット」も、「オイシックスから農産物や食品はほしいが、忙しさから余らせてしまうのがもったいなくて買い続けられない――。」そんな声をくみ取って開発されました。ミールキットは必要な量の食材や調味料をセットにしてレシピとともにユーザーのもとに。一部の食材は途中まで調理してあり、20分程度で本格的な料理を作りたての状態で食卓に並べられるようにしたところ、働く女性に大きな支持を得ています。


高島社長は、「経営者の体験記などでは、ひらめきから一発逆転のヒットが生まれ苦境を脱するという話をよく目にします。しかし現実のビジネスは違います。生産者や消費者の声に耳を傾け、駄目なところを一つ一つ改善し、できることはすべてやったから、今があると思っています。」と語っています。

顧客はもとより、生産者や取引先の声にも耳を傾けて、従業員一丸となって真摯に改良改善を続ける。この地道な活動こそがきらりと輝く「ブランド」をつくる鍵になります。

生活者と小売の未来研究会〈Lifevaluelab.〉

小売業は、生活者の心と暮らしを豊かにする「幸せ創造業」です。未来の予測が難しいニューノーマル時代こそ、揺れ動く生活者の気持ちにしっかり寄り添い、自社の専門DNAを軸にして「顧客が求める価値」を提供していくことが生き残りの鍵を握っています。さぁ、私たちと一緒に、生活者も小売業も共に成長し幸せになる未来を研究・創造していきましょう。

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